コラム長寿のお祝いに贈るお花。歴史と文化が織りなす、人生の節目の美しさ2024.11.09 Sat

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長寿のお祝いの歴史

長寿のお祝いの起源は、中国にまで遡ります。紀元前550年頃、思想家・孔子が説いた儒教では、敬老思想や長寿を尊ぶことが奨励されていました。この思想が日本に伝わり、奈良時代には貴族の間で長寿を祝う風習が定着し始めたと考えられています。

当初は、40歳という比較的若い年齢から10年ごとに長寿を祝う習慣がありました。しかし、時代とともに平均寿命が延び、現代では60歳の還暦から長寿のお祝いをすることが一般的になりました。

長寿のお祝いには、還暦、古希、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿、百寿など、様々な呼び名があり、それぞれに由来や意味が込められています。これらの呼び名は、長寿を祝う年齢の目安として、人々の間で広く知られています。

長寿のお祝いは、単に年齢を重ねることを祝うだけでなく、家族や親族、友人など、多くの人々が集まって共に喜びを分かち合う大切な機会でもあります。長寿を祝う席では、これまでの感謝の気持ちを伝えたり、これからの健康を祈ったりするなど、様々な思いが交わされます。

近年では、核家族化が進み、昔のように大勢で集まって長寿のお祝いをすることが少なくなってきました。しかし、長寿を祝う気持ちは人々の心に根付いており、様々な形で長寿のお祝いが行われています。

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長寿のお祝い、それぞれの年齢と由来について

長寿のお祝いは、古くから人々の間で大切にされてきた伝統的な行事です。単に年齢を重ねることを祝うだけでなく、長寿に達した人に敬意を表し、その人生経験や知恵を後世に伝えるという深い意味合いも持っています。

各年齢の呼び名と由来

還暦(かんれき)60歳
・60年で干支が一巡することから、「元の暦に還る」という意味で名付けられました。

古稀(こき):70歳
・人生七十古来稀」という言葉から。これは、中国の詩人である唐代の王勃が「滕王閣序」の中で詠んだ言葉で、「古来、70歳まで生きる人はまれである」という意味です。

喜寿(きじゅ):77歳
・「喜」の字を分解すると「七十三」と読めることから名付けられました。

傘寿(さんじゅ):80歳
・「傘」の字を分解すると「八十八」と読めることから名付けられました。

米寿(べいじゅ):88歳
・「米」の字を分解すると「八十八」と読めることから名付けられました。

卒寿(そつじゅ):90歳
・「卒」の字を分解すると「九十」と読めることから名付けられました。

白寿(はくじゅ):99歳
・「百」から「一」を引くと「白」となることから名付けられました。

百寿(ももじゅ):100歳
・100歳という大きな節目を迎えるお祝い。

歳ごとの長寿祝い

長寿の祝いは、 還暦祝いが数え61才、古希の祝い=数え70才、喜寿の祝い=数え77才、傘寿の祝い=数え80才、米寿の祝い=数え88才、卒寿の祝い=数え90才、白寿の祝い=数え99才、百寿の祝い= 数え100才です。

現在はわかりやすく、60歳、70歳、77歳、80歳などの誕生日に、長寿のお祝いをするケースが増えています。米寿を祝う88歳よりうえは、男女共に平均寿命を超えていますから、本当の意味で長寿の祝いと言えますね。

長寿祝いのお花の表書き

60歳「還暦御祝」、70歳「古希御祝」、77歳「喜寿御祝」、80歳「傘寿御祝」、81歳「半寿御祝」、88歳「米寿御祝」、90歳「卒寿御祝」、99歳「白寿御祝」、100歳「百寿御祝」、118歳「茶寿御祝」、110歳以上「珍寿御祝」、111歳「皇寿御祝」、120歳「大還暦」、または「御祝」「賀寿」と記します。

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長寿祝いのお花の花色について

60歳の還暦は「赤」、66歳の緑寿は「緑」70代は「紫」、80代は「金茶」「黄」、90代以上は「白」が象徴色ですが、お花の色と長寿お祝いの色を一緒にすることに固執することはありません。注意が必要なのは、ご年配の方には寒色系の花はお悔やみ系のイメージが根強くあるため、ご本人がお好きな場合を除いて、避けるのが無難です。

そのようなことから、長寿のお祝いはどの年齢であっても、明るく華やかな花を選ぶことをおすすめします。

まとめ

長寿のお祝いに花を贈ることは、単に華やかさを添えるだけでなく、感謝の気持ちを込めて、その人の人生を祝福する素敵な行為です。贈る相手の方の好みや、お祝いの場に合わせて、最適な花を選び、心温まる贈り物にしましょう。

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